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第30話  

もし、両親が裕福でなかったら、彼女たちも、同じように辛い思いをしていたかもしれない。

 しばらくすると、村上祐介が他の二人を乗せて車でやってきた。

 村上祐介の車は、BMWX7だった。

 車内では…

 「もう着いてるぞ。前の4人組だ、見えるか?」村上祐介が言った。

 「マジかよ!うちの大学の女子とはレベルが違うな」

 「そうだな。さすが演劇学科だ。将来は女優になるんだもんな。あの4人、誰でもいいからうちのクラスに放り込んだら、涼宮映雪くらいしか勝てないだろう」

 「特に、一番背の高い娘は、涼宮映雪と比べても負けないくらいな!まさに女神レベルだ」

 「プップー…」

 村上祐介は、金葉ホテルの駐車場入口でクラクションを鳴らした。

 「彼氏が来たわ。行こう」

 高木敏は、村上祐介の車を見て、ルームメイトたちと一緒に駐車場の方へ向かった。

 村上祐介たちが車から降りてくると、両グループは合流した。

 簡単に自己紹介を済ませた後、7人は金葉ホテルへと入っていった。

 そして、従業員に案内され、予約しておいた個室へと向かった。

 席に着くと、村上祐介は森岡翔に電話をかけた。

 電話がつながった。

 「翔、どこにいるんだ?俺たちは46号室にいるぞ。早く来いよ、お前だけいないんだ」村上祐介は言った。

 「ああ、すぐ行く」森岡翔は電話越しに答えた。

 「悪い、俺のルームメイトがもう一人来るんだ。先に注文しといてくれよ。食べたいものを、好きなだけ頼んでいいからな!」村上祐介は、女子学生たちに言った。

 森岡翔は電話を受けると、下の階へ向かった。

 途中で、中村薫に電話をかけて、後でホテルのキャンペーンということで、46号室の料金を無料にするように頼んだ。

 すぐに、森岡翔は46号室に到着した。

 「遅くなってごめん、ちょっと用事があって」森岡翔は申し訳なさそうに言った。

 森岡翔が席に着くと、料理が次々と運ばれてきた。みんな、箸を取り始めた。

 この場にいた7人のうち、村上祐介と森岡翔以外は、全員、このホテルで食事をするのは初めてだった。

 料理の味に、彼らは感動していた。

 彼らは、普通の料理を注文していた。森岡翔のように、毎回最高級の料理ばかり食べているわけではない。

 佐野紫衣は森岡翔を見た時、どこかで見たことがあるような気
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